2022年2月18日金曜日

SPANISH FLY #01

 -スペインはバルセロナ在住のkeiiiiicooからの現地リポートSPANISH FLY第1弾!-


現在もコロナによるパンデミックは終息を迎えてはいないが、ヨーロッパの中でも高い感染者数で知られるスペイン。2020年3月のロックダウンから、幾度となくあらゆる規制の強化と緩和を繰り返してきたが、感染力の強いオミクロン株の流行下において、大量検査によって無症状者数が多いゆえ、その実効性が疑問視される中、1月下旬のピークアウトと並行して新たな日常生活へと戻ろうとしている。


バルセロナはヨーロッパ諸国の人々にとって太陽・食・ビーチに恵まれたバカンス地の一つであり、SonarやPrimavera Soundなど大きな音楽フェスが開催されていることでも知られている。若者の中では、週末クラブ(スペインではディスコテカと言う)に遊びに行くことは、日本でいうカラオケに行くのと同じ感覚である。もちろんクラブなんかに遊びに行かないっていう人もいるが、クラブに遊びに行くことは特別なことではなく、ごくごく普通に生活に根付いている文化の一つである。


そんなバルセロナにおいても、このパンデミック下において深刻な打撃を受けたのは他国同様音楽シーンであることは間違いない。中でもクラブの通常営業は非常にハードルが高い。

しかし、夜間娯楽施設の営業再開が決定し、収容人数の制限も終了時間の規制もない、クラブカルチャーが遂に戻ってきた。


バルセロナには大小の様々なタイプのクラブが存在するが、ダンスミュージック好きがこぞって集まるクラブの一つ、LAUTを紹介したいと思う。





収容人数は230人で、エレクトロやテクノといったダンスミュージック、地元のアーティストがラインナップのベースとなっている。そして今回はバルセロナ出身で、昨年のsonar CCCB2021、MIRAなどにも出演し、今注目のアーティスト、Iro Akaの2ndアルバムのリリース記念パーティに足を運んだ。



Iro Akaとは日本カルチャーが好きな2人が日本語の「赤色」を逆にしてつけられた名前とのこと。中に入ると名前通り赤のライティングで染められたフロア。1時ぐらいから続々と人が集まり、2時を過ぎた頃にはフロアの8割は埋まっていた。



バルセロナは屋外においては1.5m以上のソーシャル・ディスタンスが保たれればマスク着用の義務はなくなったが、屋内施設はまだ着用義務がある。もちろん踊りにきてマスクをしている人は圧倒的に少ないが、少人数ながらマスクをしている人も見かけた。




序盤は彼らの作品にも通じるアンビエント〜サイケデリックなエレクトロなど、叙情的でエモーショナルなセットを中心に、徐々にダンサブルなトラックでグイグイとフロアをグルーヴィに沸かし、Iro Akaが紡ぎ出す一夜のストーリーに魅了された観客。その光景はパンデミック前と何ら変わりはない。パンデミックを経て次のステップへと進むバルセロナのクラブカルチャーの再開を確認できた夜であった。(keiiiiicoo)


LAUT

https://laut.es/


Iro Aka

https://soundcloud.com/iroaka




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