2016年10月23日日曜日

OMNITRONIC TRM-202 MK2 review

最近はハウスDJのみならず、ニューディスコ系やテクノ系、田中フミヤあたりのミニマル系、Sadar Baherあたりのクラシックス系のDJ達もロータリーを使う人が増えてきてます。
3年ほど前にロータリー・フェーダーを色々と紹介した記事を書きましたが、あれからもポロポロと新手が出ており、業界関係者として、またロータリー派の自分としましては嬉しい限りです。またそのへんは近いうちに記事にしたいなと思っておりますが、今回はまずその3年前の記事でもチラッと紹介した謎のドイツ製コンパクト・ミキサーOMNITRONIC TRM-202について!

某○ERINGERみたいな安物系総合メーカー製みたいなのですが、それゆえの恐ろしさなのか、はたまた日本に代理店も無いためか、日本で誰も持ってるのを見たことないので当店が人柱といいますか店柱的に試しに数台仕入れてみました。
ちなみにベルリン在住のRunning Back Recordsのオーナーでご存知Tuff City KidsのGerd Jansonにこのミキサーのこと尋ねたら、メーカー的に論外だとかw。安物過ぎて誰も興味ないし使ってもないらしい。

でも興味が尽きないのでとりあえずオーダー。しかしオーダー時には在庫が1台も無く、納期が延びること数回でトータル5ヶ月ぐらい待ってようやく到着。。。手作りのE&Sでもだいたい1、2ヶ月で納品されるのになんでや・・・。

しかしさすが大手(?)企業製、忘れた頃にキチンとした箱に入って届きました。






なんとカッチョイイ取扱説明書も入ってました。

ちなみにいつの間にかに型番がMK2となっており、若干仕様変更があったようです。一説によると何か致命的な問題があったとかなかったとか。。。詳細は知りませんが外観上では全てのノブがE&Sみたいな黒いものからシルバーの金属製に変わって絶望的にダサくなってます。個人的に。。。

そして早速箱から取り出してみると・・・・なんとメチャクチャ重い!!まるで大きな石かブロック片でも持ち上げているかのような。。。計ってみるとE&S DJR400が2.2kgなのに対し、こいつは2.7kgほどありました。E&Sよりもチャンネル数少ないのに・・・・。だいたいのアナログミキサーって見た目よりもかなり軽い(特にUREI 1620)のですが、こいつはデジタル・ミキサーでもないのにパイオニアのDJMシリーズの如く、いやそれよりも重く感じる・・・。見た目の小ささが余計にそう感じさせます。まあプレイ時にズレたり動いたりは無さそうですが、まさかそのためにウェイトでも入ってるんでしょうか・・・。



ノブは触ってみると金属だけに意外と質感はよかったです。ただノブ上端の角がやや鋭角なので長時間触ってると痛いかもです。





そしてこのミキサーの最大の特徴は、E&SのDJR400(4チャンネル)を2チャンネル化したようなその仕様もさることながら、UREI1620やE&S DJR400等の主だったロータリー・ミキサーと同じく、我らが日本のアルプス電気株式会社製のヴォリュームポットを用いてるというところです。仕様表にはBLUE VELVET RK27と記載されています。そして驚異的に安い!だいたいDJR 400の3分の1か4分の1ぐらいの値段です。

どこにもMADE IN CHINAとか書いてないのですが、ドイツ製らしからぬ多少の作りの荒さはあります。プリントが最初からかすれてる部分があったり、ビスが歪んで締められていたり・・・でも値段を考えたらOKでしょう。

背面もかなりE&S DJR400に似てます。安価な家庭用(?)のワリに、モニターアウトもマスター同様にピンジャック出力とXLR出力を備えております。









1,2チャンネルともPHONO以外にラインを各2系統アサインできますのでCDJ等を併用する人も大丈夫です。キューイングはE&Sと同じプッシュボタン式です。ちなみにE&Sではオプション設定のキュー・ボタンが押されてるチャンネルを示す赤ランプが標準装備!更にそのチャンネルのレベルが過大な場合に光る緑のランプまで装備されています。

E&S DJR400と似てるのでそれとの比較になりますが、入力の切り替えが↑の写真のようにトップパネル上にあるので切り替えが楽です。でもプレイ中に手が当たって切り替わってしまわないように注意が必要です。(E&Sは背面パネルにあります)


電源ボタンがあるので家庭用としては便利です。UREIもE&Sもプロユースでプレイ中の電源遮断を避ける為、電源ボタンは装備されていません。





なんとマイク端子があります!E&Sには付いていません。あまり使うことは無いかもですが、ちょっとしたMCを挟みたい結婚パーティー等では便利です。





そしてUREIにもE&Sにも装備されていない機能として、ヘッドフォンの出力をマスターとキュー(モニター)を無段階にブレンド~調整できるのとスプリット出力が可能です。スティックタイプのヘッドフォンの自分は全く使わない機能ですが、両耳ヘッドフォン派の人で使う人は使う機能ですね。




なんとPHONOのゲインが微調整できるようになってます。CDJと出力レベル合わせたり微調整ができそうです。






個人的に一番イイと思ったのはこのレベルメーター。E&SはLRまとめて一列のみの表示ですが、このミキサーでは写真のようにLR分かれていて見やすいし、何気にテンションが上がる!そして万が一の片チャン時に一目瞭然です。




で、ノブを全部UREI & BOZAKのものに替えてみました。やっぱこれですよ、これ!この方が数倍使いやすいし見た目も引き締まってカッコいい!つーか視覚的にも気持ち的にも落ち着くな、やっぱり。。。(苦笑)

ちょっと触ってみただけですが音質は普通で可もなく不可もなく。特別イイとも思わないしスゴク悪いとも思わなかったです。大きなハコなどではどうでしょうか。未知数です。STRADAの店内では全く問題ないレベルです。

自宅でとりあえずロータリーを使いたい人には申し分ありません。デスクトップで小さいので、設置にも困りません。狭いバーや小バコ等のDJブースにもオススメです。これが置けないDJブースは無いはずです。

触ったことある人しか分からないあのUREIの独特のトルク感のあるノブの感触やロータリーならではのミックス・フィーリングももちろん味わえるのでハウスのロング・ミックスとかが超楽しめると思います。



E&Sとの大きさ比較。これ以上小さくできないぐらいの大きです。これ以上小さくすると操作性がかなり犠牲になります。現状でもギリギリな感じw。特にヘッドフォン・ヴォリュームとモニター・ヴォリュームが接近してて小さいので注意が必要です。これを触ったあとにUREIを触ると、かなり操作しやすくて気持ち良いです。やっぱking of mixer UREI 160はストレスフリーです。

最後にまとめ。

良い点
●安い。
●小さいのでどこでも置ける。
●アルプスのポッドを使っている。
●3バンドのアイソレーターを装備し、チャンネルごとのHI、LOの調整も可能。
●モニター出力装備。
●マイク端子付き。
●L/R独立レベルメーター付き。
●キューイングしているチャンネルを示す赤ランプ付き。
●レベルオーバーを知らせる緑のクリップ・ランプ付き。
●キューとマスター・アウトプットのヘッドフォンでのスプリット出力~ブレンドの調整可能。
●電源スイッチ付き。
●PHONOのゲイン調整可能。

悪い点
●小さい。
●重い。
●ちょい作りが雑。
●標準のノブがダサイ。
●2チャンネル仕様。
●壊れたらドイツ送り・・・(?)
●ブランドイメージがあまり良くなさそう。
●アイソレーターのHIよりも各チャンネルのEQのHIの方が、上げると持ち上がるような・・・。
●あまり売れていないのか生産数が少なく、納期が長すぎる。

最初の1台やセカンド~サード・ミキサー、狭いDJブースでの業務使用等にはオススメです!中古で某V社の古いロータリーを買うより全然いいと思います。
今すぐオーダーしても来年2月以降のようですが、もし気長に待てる欲しい人がいらっしゃいましたらコチラからお問い合わせ下さい!

※店舗多忙につきお電話でのお問い合わせはご遠慮下さいませ。



なお別件ですが来年1月頃には巷で話題のスペイン製の新手のロータリー・フェーダー・ミキサーも日本上陸第1号機として到着予定ですのでレポートします!(こちらも納期が長い・・・)







2016年10月10日月曜日

10月10日(月)は臨時休業させて頂きます m(_ _)m

10月10日(月)は臨時休業させて頂きます。
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