DJ NATUREと言っても一部の熱心なクラブ・ミュージック・ファンかヴァイナル・ジャンキーの方しか知らないと思いますが、あのSoul II Soul、Massive Attackの基礎となったユニットを率いていた人物となると食指も動くでしょう。
DJ NATUREはここ最近では人気レーベルGOLF CHANNELからのリリースで知られますが、彼の活動歴はかなり古く、もうひとつの名義DJ Miloとして70年代後半頃まで遡ります。
当時としては珍しいファンクやニューウェイブ、ディスコ、ジャズ、レゲエ、ソウル、パンク等幅広い選曲のスタイルが話題となり、83年にイギリス西部ブリストルにてDJ Miloを中心にNellee Hopper、Daddy Gの3人で伝説のDJ/サウンドシステム・ユニットThe Wild Bunchが結成される。
ローカル・パーティー等で頭角を現したThe Wild Bunchはその後メンバーを増やしつつもDJ MiloはAdrian SherwoodやNeneh Cherryらと仕事を、Nellee HopperはSoul II Soulに、そして他のメンバーはMassive Attackへと、彼らはシーンへの絶大な影響力を保持したままそれぞれの道を歩むようになる。そう、ブリストルが生んだ2大グループSoul II Soul、Massive Attackの基礎となったのがDJ Milo率いるThe Wild Bunchなのです!そういやあのTrickyもThe Wild Bunch門下生のはず。
当時は前述のような幅広い音源を中心にプレイしていたDJ Milo、まさにこれがいわゆるブリストル・サウンドのベースとなったわけですが、その後はブリストルを離れThe Jungle BrothersやPublic Enemyらのツアーしたり、日本に来てMajor Forceと共に活動したり・・・とその活動の幅を広げる。
そして89年に大きなターニングポイントが。なんとNYのブルックリンに移住!当時全盛を極めていたハウスやガラージの影響も受けたであろう90年代前半、彼のひとつの目標は絶大な人気を誇っていたKISS-FMのTony Humphriesのミックス・ショーで自分の曲をプレイしてもらうということだったというから驚く。余談になるがDJ Miloまでもを魅了した当時のTonyの影響力のデカさたるや・・・。その目標は見事達成されたようだが、子供ができたこともありしばらく音楽から離れた生活を送っていたそう。
そして2009年頃からの活動再開~現在に至ってはDJ NATURE名義でGOLF CHANNEL RECORDINGSやJAZZY SPORTといったレーベルからオリジナリティー溢れる作品を多数リリース、また各種リミックス・ワーク、DJプレイ等も精力的にこなしています。
US出身のハウス、ディスコ系アーティスト達とは異なるミクスチュアなブリストル・サウンドをバックボーンとした彼がNYに移住し、折りしもミクスチュアなダンス・ミュージックが全盛の今の時代に復活した意義はかなり大きいと思います!
『V-I-S-I-T-O-R-S』
2013.05.04.SAT at troopcafe
START 23:00
DOOR:3000(1D)
GUEST ACT :
DJ NATURE(Golf Channel)